沈黙,アビシニアン (角川文庫 ふ 18-2)

著者 :
  • KADOKAWA (2003年7月25日発売)
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本棚登録 : 362
感想 : 38
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以前に出たハードカバー2冊をまとめて一冊にした文庫です。一言でまとめると「沈黙」は絶対悪と戦うSFで「アビシニアン」は恋愛物です(笑)
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「沈黙」は面白かった!なんとなくダマサキ風(笑)主人公の女の子が日常の中で、人々と出会い血脈を辿り音楽を追っていくうちに、段々と眼前にスケールアップした世界が現れてくる展開です。<BR>「アビシニアン」は、物語自体には影響はないけれど「沈黙」の冒頭とエピソードで繋がってます。SF的な超展開はないですが有り得ないストーリーです(笑)
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この作者は何と言うか、枠組みの中で動く事件ではなく、枠組みとなる世界そのものを物語とするタイプの小説を書きますね。膨大な描写とエピソードを緻密な筆力で記し畳み掛けて、絵空事に力ずくでリアリティを与える書き方をしています(笑)文章を流し読みが出来ないのでワタシでも読むのに時間がかかります。サラっと読める恩田陸とは真逆の、パワータイプの作家だなぁという印象です。
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あ、初版を買ったら416ページから一部落丁してたので、買う場合は版を確かめた方が良いと思います(爆笑)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 小説:一般
感想投稿日 : 2007年2月18日
本棚登録日 : 2007年2月18日

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