聖徳太子はなぜ天皇になれなかったのか (角川文庫ソフィア 267)

著者 :
  • KADOKAWA (2000年10月24日発売)
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感想 : 2
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想像の翼をひろげて古代史の謎を追ひかけるつもりでこの本を讀むとがつかりするかもしれない。<BR>
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この本はアカデミズムの立場から聖徳太子をめぐる謎を整理して、常識的なところに落ち着かせてくれる。(落ち着きたくなくても)<BR>
あとがきで、著者は、聖徳太子に關する「想像本」の例をあげて、それらの本とは一線を劃した本であることを主張してゐる。<BR>
でも、時にはさうした「想像本」を讀んで古代への浪漫を育むことが、私には必要なのである。<BR>
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「曰く、聖徳太子は二人ゐた。曰く、聖徳太子は蘇我馬子だつた、否、蘇我入鹿だつた。曰く、聖徳太子はその妻と心中したので、死後、怨靈として法隆寺で祀られることになつた。曰く、聖徳太子は突厥とよばれる騎馬民族の王で、海を渡つて我が國にやつて來た。」<BR>
これらの「想像本」を讀んでみたくなる氣にさせてくれる本である。<BR>
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2003年4月12日讀了

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史書
感想投稿日 : 2005年4月22日
本棚登録日 : 2005年4月22日

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