やっぱり、イギリス人はおかしい

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  • 文藝春秋 (2006年10月1日発売)
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軽い気持ちで読み始めた高尾慶子さん二冊目、年金暮らしに入ったせいか「イギリス人はおかしい」に比べて、だいぶ英国人寄りの精神になってる印象で、日本人の目からみた鋭い英国批評の類はほとんどない…かな…。英国がサッチャー政権からブレア政権に移行して格段に暮らしやすく、清潔になったのを文面から感じるため、英国で年金暮らし、羨ましい~という気持ちも沸く一冊。日本で暮らしててここまで政権の違いを実感することって私はないなぁ…。

日本軍による捕虜虐待は許されざることだし、それを終戦後も笑いのネタと考えていた日本のオヤジは本当に恥ずべき問題だと思うし、永瀬先生の精神はもっと日本人の間に広められるべきだと思う。
……けれどどうしても一つ疑問が残るのは、英国は自国民にきちんと英国が何をしたか、また、何をしなかったか(これも大事)を教えているのかな…どの国の歴史もキレイなだけじゃないと思うんだけど…。かつての植民地の民を今は移民として受け入れているからオッケーと軽く済ませられる話ではないような。(他の誌面で語られてるのかもしれないけど。)

それと「ロンドンの日本人」の章は耳が痛い。息苦しいと感じる人間が多い日本社会、ほんと、変えようよ~~~~という気持ちに…。
キリスト教の博愛精神が無いから福祉が浸透しないという指摘も、英国と比べられると納得かも…(アメリカは???という疑問には目をつむりつつ。)
そして異邦人として暮らすのは責任が無いから楽だという指摘に目から鱗。なるほど!!!
選挙権がないならないで無責任に批判だけしてればいいし、母国を責められても、だから俺は国を出て来たんだと胸を張っとけばいいもんな…?

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感想投稿日 : 2017年6月2日
本棚登録日 : 2017年6月2日

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