企業文化 改訂版: ダイバーシティと文化の仕組み

  • 白桃書房 (2016年6月10日発売)
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# 書評☆3 企業文化 [改訂版] | 文化の解読・変化のための手順

## 概要
企業文化を理解し,うまく制御するための方法を解説している。

「[組織文化とリーダーシップ](https://senooken.jp/blog/2019/03/18/)」の内容をわかりやすくしたもののように感じた。

文化というのは,組織内で重要であるが,その分析や変革方法についての情報が欠如している。この本では,文化の分析方法や変革方法を具体的な手順を示しており,貴重な資料だと感じた。

## 参考
> ### p. 21: 文化の3つのレベル
> 図表2.1 文化の3つのレベル
>
> 1. 文物 (人工物): 目に見える組織構造および手順 (解読が困難)
> 2. 標榜されている価値観: 戦略,目標,哲学 (標榜されている根拠)
> 3. 背後に潜む基本的仮定: 無意識に当たり前とされている信念,認識,思考および感情 (価値観および行動の源泉)
> ___
> 文物や行動パターンを経験しただけで,その文化について十分知っていることになるのだろうか。それとももっと深いレベルで理解すべきだろうか。もっと深いレベルで理解するためには,組織が価値を置く事柄について質問してみると良い。つまり,なぜこのようなことをするのかを質問してみるのである。

文化の3のレベルが解説されていた。そして,文化を理解するための簡単な質問が提案されていた。会社訪問などで,自社の特徴をアピールしている会社はよくある。なぜこのようなことをするのかを質問するのは悪くないと感じた。

> ### p. 81: あなたの会社の文化を解読する所要時間4時間の演習
> 1. 快適な部屋に集合する。
> 2. ビジネスの問題点を明確にする (30分間)。
> 3. 文化およびその階層構造に関する概念を確認する (15分間)
> 4. 文物を特定し,リストアップする (60分間)
> 5. 組織の標榜された価値観を特定する (30分間)
> 6. 価値観を文物と比較する (60分間)
> 7. 共有されている仮定を評価する (45分間)
> 8. 次のステップを決める (45分間)

企業文化を解読するための演習が具体的に示されていた。

実際の企業では,文物と標榜されている価値観,背後に潜む基本仮定が矛盾していることがある。つまり,オープンな風土を標榜しながら,実際はそうではないということが往々にしてある。これらの3のレベルを突き合わせていくことで,3の背後に潜む基本仮定を特定し,企業文化を解読できる。

> ### p. 152: 変革チームと変革の手順
> * 手順1 なぜ,変革するのか?
> * 手順2 理想的な将来像とは?
> * 手順3および4 現状の評価と計画
> * 手順5 移行を管理する

企業文化に変革を起こす際の手順が書かれていた。このような重要であるが,どうしたらいいかわからないことにたいして,手順が示されているのがよかった。

## 結論
企業文化の解読と変革の手順が書かれており,参考になった。

企業文化は重要ではあるが,目に見えにくく,理解しにくいため,取り扱われず,過小評価されがちだ。この本ではその取り扱い方が書かれている。このような本はあまりないので貴重であり参考になる。

具体的な話や,より踏み込んだ話は「[組織文化とリーダーシップ](https://senooken.jp/blog/2019/03/18/)」にもあたるとよいだろう。

パーマリンク: https://senooken.jp/blog/2019/05/03/

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: human
感想投稿日 : 2019年4月27日
読了日 : 2019年4月18日
本棚登録日 : 2019年4月27日

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