面白かった!読みやすくて一気に読んじゃった。
最初は活気があって、友達がいて、打ち込めることもあって・・・
だんだんと団地が廃れてくのがすごく淋しかった。
何よりもタイジロンヌが一番淋しかった。
主人公がリアルな気持ち悪さとダメさ加減で親しみがもてて、痛々しいキャラではあるけど、タイジロンヌと同じように若者は痛々しさも青臭くてイイナーと思えるようなキャラクターでよかった。
出てくるキャラが、在りそう、居そうって思えるくらいの程よいキャラクターだったし、人生ってそううまくいかないよねって何度も主人公に言ってあげたい気持ちになった。
しかし、読んでて、私は団地って大嫌いだなーとしみじみと思いました。
小学生の頃から多分思ってて、同級生が住んでたりして口に出さなかったから自分でも気付かなかったけど。
なんだか、カラスが集ってる場所があって、ドアが御札で目張りされてる部屋があったり、ガラスが割れてたり、いつも徘徊してる人とか、小火騒ぎもあるし、飛び降り自殺もあるし、不良の溜まり場になってる。
それでいて、団地の情報網はスゴイ。隣人との距離が近い。
同じ集合住宅でもマンションに住んでた私は、すごく団地が異質なものに思えてて、そこが怖くて、棟の影から口裂け女が出てくる気がしてた。
そんな実感もこもって、どんどん廃れてく団地の描写は、すごくよくわかって淋しかった。
殆ど本のレビューではなくなっちゃったけど、団地の外にいた私でもこれだけ楽しめたから、団地で幼少期を過ごした人にはオススメしたいな。
あと、中学時代引きこもってた弟にも。
- 感想投稿日 : 2012年9月13日
- 読了日 : 2012年9月13日
- 本棚登録日 : 2012年9月9日
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