上下巻に共通するのは、女同士のネチネチ感や、何かがこじれたのがきっかけに仲違いを起こしたりする怖さを感じる。タイトルが意味するもの、なにかがきっかけで、その世界から外れてしまうこと、そこには孤独感や、外れてしまった道から脱出し、別の人生へ舵を切ろうとする思いだろう。世間一般の階級からはみ出してしまった人生、境遇は違うものの、負の連鎖を感じさせる辛いものである。作中の女性は表では良く繕っていても、裏では怖い顔を見せたりする、性格の悪さがジリジリと伝わる文章を表現する著者の筆力を感じさせる。
読書状況:読み終わった
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作者 か行
- 感想投稿日 : 2017年5月31日
- 読了日 : 2017年5月31日
- 本棚登録日 : 2017年5月20日
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