人間の醜く生臭くも狂気的な恋情が、残り香のするほど雅やかな幻想小説にばけてしまう皆川さんの筆致。タイトルといい挿絵といい更に雰囲気を盛り上げて、お見事です。今まで読んだ皆川さんの作品では、西洋を舞台にしたものや近代物が多かったので、短編ながらもこのように研ぎ澄まされ完成された時代物の引き出しを見て、その多才さに脱帽であります。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
皆川博子
- 感想投稿日 : 2013年9月1日
- 読了日 : 2013年8月1日
- 本棚登録日 : 2013年9月1日
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