戦争って、環境問題と関係ないと思ってた (岩波ブックレット NO. 675)

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  • 岩波書店 (2006年5月10日発売)
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【金を見る地図】善悪はひとまず置いておいて世界を見る方法。そこではイラク戦争は石油価格を吊り上げる出来事としてしか認識されない。開戦すれば先物買いで相場を上げ儲ける。戦闘が激化すれば軍事会社の株も上下、そこで使われる武器により軍需産業の株も上下し政治家とコネのある企業の武器が選択される。

日本でも海外でも環境問題に意識のある人は戦争に比較的無関心であることが多い。
しかし戦争により発生する環境問題は非常に大きく、
戦争問題を考えずに環境問題を考えることは自己満足である。
僕らがコンビニでレジ袋を断っているとき、
どこかの戦闘で街が破壊されている。
僕らが省エネのために電気を消しているとき、
どこかの実験で地球そのものが破壊されている。
僕らがリサイクルのために分別しているとき、
戦闘機は莫大な石油を消費し二酸化炭素を排出している。
戦争、その準備のための軍事開発を止めずに何が環境保護だろう。

問えば人々は平和が大事だと言う。
しかし残念ながら、口で言っただけでは絶対に現実にはならない。
現実になるのは常におカネで表現したことなのだ。
口で戦争反対と言ってみても貯金が戦費に流れるなら戦争が進む。

現在の車はリッター20で走るが戦車は200メートル。
戦闘機は一分飛ぶために900リットル以上の燃料を消費する。
8時間飛行すると日本人1人が生涯に排出する二酸化炭素を使い終えてしまう。

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感想投稿日 : 2008年1月25日
本棚登録日 : 2008年1月25日

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