男の絆 明治の学生からボーイズ・ラブまで (双書Zero)

著者 :
  • 筑摩書房 (2011年5月27日発売)
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本棚登録 : 273
感想 : 26
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「よかれと思ってやったのに」関連本。
現在でも高く評価されている「男の絆」「男の友情」。明治時代の学生男色を資料から丹念に追い、「男の絆」の背景を解き明かす。

ホモファビアに関連する本として抜群におもしろい。初耳の内容が満載で、当時の小説や新聞記事の引用に、こんなことまで書いているのかと驚く。

福沢諭吉や巌本善治の「男女交際論」により、「肉交/情交」という二分法がうまれ、「やったか、やってないか」で男女の関係を分ける発想が、日本社会に定着していく流れは、非常に興味深かった。この流れで「清らかな交際」の概念も広がったという。最近の概念!

下ネタを話すことや、一緒にキャバクラに行くことは、異性愛者であるとアピールすることでもあり、「男の絆」コミュニティに入るのに有効、に納得。
飲み会でこういう空気になることは、今でもある。ただ、嫌がる人や話を変えてくれる人が、男女問わず、昔より増えた気はしている。

男女別姓や同性婚に反対している政治家にこそ読んでほしい良書。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 持っていない
感想投稿日 : 2022年5月11日
読了日 : 2022年5月9日
本棚登録日 : 2022年4月30日

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