「自分」には3つの型がある。
主観としての自分。
他人から見た客観としての自分。
そして、自分から見た客観としての自分。
「ほんまのことは、自分が何かゆうてみい、人間が、一人称が、何でできてるかゆうてみい、一人称なあ、あんたらなにげに使うてるけど、これはどえらいもんなんや、おっとろしいほど終りがのうて孤独すぎるもんなんや、これが私、と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私!!」
言葉が、思いが、急加速して「わたし」を突き抜けていく。
永久歯の生えてこない幼女と、それを不安に思う母親とに、「おだいじに」と声を掛けるラストシーンは、本作の主題、根源であり、また、象徴だ。それは人間と云う生命の美しさでもあり、切なさでもあり、悩ましさでもあり。
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- 感想投稿日 : 2011年12月6日
- 読了日 : 2011年12月6日
- 本棚登録日 : 2011年12月6日
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