九つの短編からなる連作短編集。連作といっても、はっきりしたものではなく、一つ一つは密やかに繋がっている。
舞台は幕末から戦後、高度経済成長が始まる頃までの江戸、東京。
どれも淡々と流れ行く物語ばかりだけれど、日々を生きる普通の人々の繊細な心情が浮かんでくるようでした。
「隠れる」の耕吉さんのラストには唸ってしまった。なんてままならない人生。しかも、耕吉さんのその後が「てのひら」で明らかになるけれど、結局逃れられなかったのか・・・。
思うにゆかない人々の心情がそれぞれの形で淡々と紡がれています。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(現代)
- 感想投稿日 : 2009年6月11日
- 読了日 : 2009年6月11日
- 本棚登録日 : 2009年6月11日
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