至高の日本ジャズ全史 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2012年12月14日発売)
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感想 : 16
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FacebookのTLで学校の友人がオススメしていたので興味を持ちまして購入。本日読了です。

凄い本ですね。「そうだったのか!」と目からウロコの話がポンポン飛び出してくる刺激的な本です。

正直、私この本を読むまで、「相倉久人」の名はおろか、日本のジャズの歴史を全く知らない人でした。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」くらいは聞いたことがありましたが、曲名と誰が演奏しているかまで意識し始めたのはつい最近のことです。

そんな感じですから、既に日本では戦前から、しかも本場アメリカで「ジャズ」が演奏されてから1年かそこら後に日本でもジャズを演奏する人たちがいたこと、まずこの事実にびっくり仰天です。
それから出てくる怒涛の人名。そのどれもが皆錚々たる面々です。昭和歌謡界の巨人だったり、芸能界の重鎮だったり、ジャズをかじったことがある人なら一度は耳にする名プレーヤー……。そういう人達の名前が「まだ学生だったけど」とか言いながらポンポン出てくる。

日本の現代文化史は正しくジャズと共にあったのだなということがよく分かります。と同時に、ジャズの歴史もまた20世紀日本の音楽シーンと切っても切れない関係だったことが分かる。大変内容の濃い一冊です。ジャズファンのみならず、日本の音楽史を語る上での必読書と言えましょう。

各章末に参考音源が4つ紹介されてるのもいいですね。秋吉敏子、渡辺貞夫、日野皓正もいいですが、山下洋輔の演奏が特に聴きたくなります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2015年12月22日
読了日 : 2015年12月22日
本棚登録日 : 2015年7月22日

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