子どもに伝える美術解剖学: 目と脳をみがく絵画教室 (ちくま文庫 ふ 47-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (2014年8月6日発売)
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本棚登録 : 93
感想 : 11
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表紙の美しい透明骨格標本にひかれて読みました。

子どもの絵を伸ばすためにどうしたらよいか?という視点で書かれた本ですが、
美術作品を見るときに、どのように楽しむか?ということにも通じます。
美術作品、とくにピカソの絵のような「きれいだね」という見方だけでは理解が難しい芸術に、触れるための方法の一つを知った気分です。
読むと今すぐ美術館に行きたくなります。
そして同じくらい、山や海や川にも遊びに行きたくなりました。

レオナルド・ダ・ヴィンチの手記より
「ダメな画家は、画家に学ぶ
優れた画家は、自然に学ぶ」
ロダンの言葉
「美とは、生きている感じである」
が何度も引用されています。
この本に書かれたことは、要約すると大体このようなことです。

著者の学生時代(美術解剖学教室)での経験や、実際に世界中の海や森で自然に触れた経験も併せて、この本が書かれています。
また、ここでの「自然」は海や森のような私たちの外側にある自然だけではなく、内なる自然=内臓も含まれます。
そこで著者の恩師である三木成夫さんの「こころは内臓にある」という説が紹介されていますが、生物学好きにとっても心くすぐられる面白い話です。ここではエビデンスが省かれているので、この説の詳細を理解するには三木さんの著作を読む必要があるようです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 実用
感想投稿日 : 2014年9月17日
読了日 : 2014年9月17日
本棚登録日 : 2014年9月10日

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