【”妖怪”と呼ばれた男・松崎明の”呪縛”からJR東日本が「完全に解放される日」は、”日本の失われた二十年”どころか平成まるまる三十年間をかけて、ようやく近づいてきたということなのだろう】(文中より引用)
旧国鉄において「鬼の動労」と恐れられた労働組合を率い、民営化後もその絶対的な影響力を保持し続けた松崎明。その半生を丹念に記しながら、JRに彼が深く遺した影響について考察した作品です。著者は、日本経済新聞社で社会部長などを歴任した牧久。
読んだ前と後とで同じ事象に対する見方が変わる一冊というのがたまにあるのですが、本作がまさにそれ。長年に渡って地道に、そして真摯に取材活動を続けてきたからこそ著すことのできる作品だと感じました。硬派なテーマですが、読めば多くの方が素晴らしい読書体験を積むことができる名著かと。
今年のトップ10に入ってきそう☆5つ
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2019年7月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2019年7月17日
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