太陽がいっぱい (河出文庫 ハ 2-13)

  • 河出書房新社 (2016年5月7日発売)
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感想 : 32
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かつてはアラン・ドロン主演で映画になり大ヒットし、最近はマット・デイモンが主演してリメイク(題名は「リプリー」)された映画の原作。
アメリカ人の青年トム・リプリーは家柄も地位も定職も持たず、薄汚れた部屋で、その月の部屋代にも事欠く生活をしていたが、友人のディッキー・グリーンリーフを連れて戻るようディッキーの父親に頼まれてヨーロッパに渡る。
ディッキーの父親は造船会社を経営する資産家で、ディッキーはその御曹司。
自分の生い立ちに比べて恵まれすぎているディッキー。トムは父親から渡された報酬が目当てでいたが、ディッキーに対する嫉妬心からか、ディッキーを殺してしまう。
殺人の隠蔽のためにトムはディッキーになりすまして彼がまだ生きているように思わせて、警察の捜査を切り抜けようとするが、、、
主人公が経済的に恵まれているにも関わらず気ままに暮らす友人の境遇と、同性愛者としての嫉妬から殺人を犯すという当時としては異色の設定?ではないだろうか。
決してトムという主人公は同情を抱かせるような感じではないが、その真相がバレそうになるのを機転で切り抜けながらも、行き詰まってまた犯罪を繰り返すという進行には、バレるのか?切り抜けるのか?また犯罪を犯して深みに入っていくのか?とヒヤヒヤさせられる。
アラン・ドロン主演の映画の結末の方が大衆受けするのは頷けるが、この原作の結末も嫌いではない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(海外)
感想投稿日 : 2020年11月1日
読了日 : 2020年11月1日
本棚登録日 : 2020年10月25日

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