フランス写実主義の代表作。
普通の作家なら書き落してしまうような微細な事物まで偏執的なまでに事細かく書かれている。
読んでいると4kハイヴィジョンで映像が目に浮かぶ。
そこが、軽い文体の小説に慣れている現代人からすると、退屈さを感じさせることもあり、逆にぐっと作品世界の中に引き込まれて、「文学作品を読む歓び」を味合わせてくれることもある。
俗物根性にまみれた底の浅いプチブル登場人物オノー(フリーメイソン作家を誉めそやし、聖職者に異様な敵意を抱いているところからして、この人物には、フリーメイソンという隠し設定があるのだろう)が、功名心だけで、最後に「名声」(らしきもの?)を獲得してしまうのも、浮世の馬鹿馬鹿しさをみごとに表現している。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2022年2月1日
- 読了日 : 2022年2月1日
- 本棚登録日 : 2022年2月1日
みんなの感想をみる