チリンのすず (フレーベルのえほん 27)

  • フレーベル館 (1978年1月1日発売)
4.22
  • (55)
  • (32)
  • (28)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 470
感想 : 55
5

絵本を超えた一遍の文学作品としても遜色ないほどクオリティの高い絵本です。
世代を越えて問いかけるそのテーマは「喪失」と「無常」。
やなせたかしさんの描く愛らしい仔羊のチリンが変貌していく様(さま)に
読み手は惹きこまれていくでしょう。
10年、20年、30年と時を経て読み返してみてください。
世の中の酸いも甘いも経験した大人になってから読むと、より深くこの作品のメッセージが心に響くのではないでしょうか。

もちろん、子どもの頃に出会っていれば、こんなに幸せなことはありません。
この作品に感動できる子はその後も豊かな読書人になっていくことでしょう。
なぜなら、読み終わっても永遠に心に問いかけるテーマを持っているからです。
その答えを探す旅は人生そのものです。

初版時に読了。再々読。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ◇絵本・児童書
感想投稿日 : 2010年7月29日
読了日 : 1984年12月21日
本棚登録日 : 2009年12月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする