封建主義者かく語りき (双葉文庫 く 6-3)

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  • 双葉社 (1996年7月1日発売)
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感想 : 13

「封建主義」という言葉には、目上の人間が目下の人間の言う事を無視する、といった漠然とした何かはあるがその実極めて曖昧である。
それは、封建時代が終わった後に、次の時代を担わんとする民主主義者が、封建主義全般をひっくるめた雰囲気の名称として言い出したためであり、つまり封建主義は民主主義のネガといえる。

民主主義…キリスト教から生まれ無政府共産を志向(神により迷える子羊がまとめられる)
封建主義…鼓腹撃壌を志向(腹をぼこぼこと叩き地面をとんとん打ったりして、帝とはなんぞやと言う)
どちらが現実的か

民主主義…主婦。ふしだらな印象。大正に造語された際は極めて誇り高い言葉だった。それは武士の妻を連想させるから。今は主婦の大半が生産点ではなく生活点しか持たないため、緊張感がない。
封建主義…武士の妻。凛とした印象。彼女たちも生産点を持っていなかったが、非日常的な死をも夫と共有する封建主義的倫理を持っていた。

資本主義/民主主義…効率主義。平等という言葉がどれほどの盲人を救ったのか。
封建主義…「礼」があるため障碍者でも十分に保護される。「メクラ騙せば7代たたるぞ」など。差別を助長するが、盲人の虐げを防ぎ、人々の心情を豊かにする。

封建主義…身分の固定を意味しない。「分」という言葉がある。一視同仁の平等思想

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年11月12日
読了日 : 2017年11月12日
本棚登録日 : 2017年11月12日

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