カエルを食べてしまえ! 新版

  • ダイヤモンド社 (2015年8月28日発売)
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感想 : 20
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タイトルから想像できる通りの内容。千円札は〜、餃子とフレンチ〜的な、タイトルでだいたい予想がつく人は、中身まで読む必要なし。
組織のリーダーとして成果(結果)を上げるために必要な事は何か。マネジメントとしてはあまりに当たり前のようで、しかし実践できてるかと問われると一番の難問が本書のテーマでした。本書によれば、その答えは3つ。一つ目は『目的をはっきりと表す』こと。マネジメントは組織の目標と個人の目標を定義し、伝え、動かす。これが意外な程に難しい。できてるつもりでできていない。伝えるとは、言うとは違う。話す、とも違う。旧日本海軍の山本五十六大将は、鷹山公の言葉を引用して『やってみせ、言ってきかせてさせてみて褒めてやらねば人は動かず』と言ったといわれますが、絶対服従の軍人の世界でそうなら、いまの企業のマネジメントでは『それでも人は動かず』と考え、指し示す必要があります。正しいゴールが定義できなければチームは迷い、成果に導けませんので、手を変え品を変え、どう認識共有していくかが第一関門です。
二つ目は、『自分の課題(私にしかできないこと)に集中する』こと。優先順位をつけてランク付けをする。段取り8分で自分にしかできないことに集中する。苦手を認めて重要でないことはやめる。これも成果を上げるためには重要ですが、実践は難しい。ここで考えなければならないのは、組織にマネジメントが必要な理由。すべての仕事が定型化され、標準化された世界ではマネジメントは必要ありません。マニュアルに従い、決まった手順を全て実行できる程度の仕事しか任されないチームがあるとすれば、そもそも組織自体に問題があると言えます。むしろ正常な組織のリーダーには、全てをやる時間など与えられていないはずであり、自分の課題、やりたいことではなくやるべき事に集中して行けなければ成果を上げることはできない。分かっていながら中々実践できないのは、このあたりの認識に齟齬があるように感じます。そして三つ目が、『自分をコントロールする』こと。達成の足を引っぱるものを明らかにし、自分に言い聞かせて追込みながらも十分な休息でベストな結果をだす。常に学習して得意を生かす。いわゆるセルフコントロールが成果に最適化できているか、という問いは最初の二つを実践する上でも、最も重要。それでいて、ついつい手を抜いてしまいがちです。過度な残業や休日出勤、体調不良の結果は、一つ目の課題であるチームへの目標の明示を妨げ、集中力の欠如は第二の課題を妨げる結果となります。結局は、万全の体調で頭からカエルを食べてしまうしかない、ということになります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年9月6日
読了日 : 2016年9月6日
本棚登録日 : 2016年9月6日

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