帯で煽りまくっている「犬溶接マン」は清々しいまでに出オチでした。
主人公、超能力者の殺し屋ヒットマンは、タイツを着ない。タバコが好き、酒が好き、女が好き、ポーカーが好き、風呂が嫌い、掃除が嫌い、ジャンクフードが好き、イーストウッドが好き、タランティーノが好きと、妙な実在感がある。少なからず、ヒットマンと趣味の合う読者もいるはずだ。
彼はゴッサムシティの住人であり、彼の地を縄張りとするバットマンも登場する。ヒットマンの舞台に現れたバットマンは、いつものバットマンなんだけど、どう見ても変態に見える。尖ったセンスの衣装をまとい、冗談のような肉体を誇示しながら、表情は大真面目で、説得力のない正論をぶちまける。奇天烈なヴィランや、色物ヒーロー軍団セクション8の面々よりも異物。現実にしがみつく超能力者と現実から飛び立った人間が対峙するのだ。面白い。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年4月19日
- 読了日 : 2014年4月17日
- 本棚登録日 : 2014年4月17日
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