田中秀明著「日本の財政」に引き続き、補足的に一部の章だけ読みました。本書の方がより教科書的で日本の財政について基本からより詳しく述べられています。
第5章 社会保障制度に関する諸問
第7章 公債に関する諸問題
感想とまとめ
基本的に国が借金を増やし続ければ、どこかの時点でサービスの低減(社会保障など)か増税をしないと過去の借金を返済できなくなり、ざっくり言うと将来世代のQOLを犠牲にして今がある。
(特に2020年は政策的経費の半分が新たな借金で賄われていて、プライマリーバランスが大幅に赤字。状況は年々悪くなっていて、さらにコロナでネジが吹っ飛んだ。https://www.mof.go.jp/zaisei/reference/reference-03.html )
日銀が国債を大量に引き受けている今、マーケットにはインフレ、資産価値バブルの火種が撒かれているけど、インフレ抑制のために金利引き上げをすることは今不可能(金利が上がると国債発行コストが上がるから)。この場合も実質生活は苦しくなる。
日銀が国債の引受を停止すると、国債の価格は下落して日本の金融機関の経営を圧迫する。
どのシナリオも非現実的ではなく、財政再建の努力が必要、と主張されている。しかし、財政の世代間の不公平を訴えようにもこんな状況で、どうしたらいいのか………?
・選挙におけるシルバー世代の影響力が圧倒的
・若い世代にも日本的自己責任論が浸透している
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
学術
- 感想投稿日 : 2020年10月24日
- 読了日 : 2020年10月24日
- 本棚登録日 : 2020年10月17日
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