1967年初版。母の愛読書だったらしく(子どもの発達には幅や個性があることが念頭に書かれているので、読むと肩の力が抜けるとのこと)、読んでみた。が、いきなり今の時代に読んだらショッキングな出だし。
「結婚したら母親になるべきだ。仕事への責任や経済的な理由で母親になることをのばしているにしても、30歳までに子どもができるようにしたほうがいい。」
医学的にある程度真だとしても、それができない状況にあったとして、自分を責める必要はないよ、と私は現代を生きる読者の女性と肩を組みたい。「社会に出て活躍せよ、子どもも産んでね、ただし自己責任で」、という現代社会が女性に背負わせている重い十字架のもとで、全てを期待通りにこなせる女性の方が少数派なのではないか(例えば、若くして子供を産み、かつ職場においても女性管理職として働くなど)。
今、東京の都心においては、一般的に言われる「35歳以上が高齢出産」ではなく、「40歳以上でやっと高齢出産扱い」という感覚になりつつあるらしい。
本書は、書いてある情報が現在の医学的な見解と照らして古い部分もあること、逆に歴史的資料として面白いこと(昔の育児はこうやっていたんだ…という発見がある)から、もはや古典だと思って読むべき本かも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
雑誌・写真・図鑑
- 感想投稿日 : 2023年7月5日
- 読了日 : 2023年7月5日
- 本棚登録日 : 2023年5月28日
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