ビルマの竪琴 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1959年4月17日発売)
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本棚登録 : 1442
感想 : 154
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アウンサンスーチーさんが捕らえられ、ミャンマーの友人から「未来の希望がなくなった。今はこの状況をいかに早く脱却するかしか考えられない」と連絡があり、連日抗議デモの様子がfacebookに上がっている。

それでミャンマーの話が読みたくなって手に取ったけど、日本兵の鎮魂や文明批判をメッセージとする本書を読む動機としては不純だったかも。現代ミャンマーに想いを馳せながら読んだので、物語に入り込みきれませんでした。

最後のコメントに好感。
「 本作品中には、今日の観点からみると差別的表現ととられかねない箇所が散見しますが、著者自身に差別的意図はなく、作品自体のもつ文学性ならびに芸術性、また著者がすでに故人であるという事情に鑑み、原文どおりとしました。(新潮文庫編集部)」

ビルマ人の描写に賛成できかねるところはあるけど、かえって当時の日本の空気が伝わって勉強になりました。一方、本書に描かれるビルマの風習で現代にも残っているものは数多くあり、それを発見するのは楽しかったです。
ちなみに大戦中日本軍が使っていた車両はまだばりばり現役でミャンマー国内を走っていて、日本軍の残した足跡を見ることができます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年2月28日
読了日 : 2021年2月28日
本棚登録日 : 2021年2月26日

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