プリンス入門書。
プリンスは後期の数枚しか聴いたことのないにわかなので、ネットの知識も良いけど書籍でも吸収したいと思い読了。
そもそも新書のサイズで語るには足りないアーティスト。多作家としても有名なのは知ってましたが、ここまでとは、と。公式のでも年に1作以上出しているので、40数枚。ブート盤合わせたら何枚なのだろうと、畏怖の念を抱きつつ、リアルタイムで追ってた人はさぞかし忙しくも幸福な時間だったのだろうと想像しました。
常に時代の先に行っていたというのは、楽曲の権利に対する主張や楽曲の発表方なども、まさにという感じです。ネットにあがろうものなら即削除、また著者の西寺氏も現役のミュージシャンのため、海賊盤に対しての論著は意図的に控えられています。
現代のミュージシャンは、なんだかんだでSNSなどを通じて身近というか、見える存在ではあります。それが運営の管理のもとだったり、アーティスト自身のものにせよ。セルフプロデュース的な側面を有しつつも、オープンな関係がファンとの間に構築されているように思えます。健全ではあるけれど、どこか物足りなさを感じるのは昭和生まれの悪い癖なのかもしれませんが、プリンスは逆ですね。謎を作り、語りすぎず、語るときはコントロール下に置き、自身を神格化してきた。グラミーでのスピーチの若干盛りすぎじゃないかっていうような考察、歌詞の対訳のくだり、『We Are The World』研究しかり、誰もがそれぞれのプリンス像を持っているのかもしれません。
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- 感想投稿日 : 2020年5月17日
- 読了日 : 2020年5月17日
- 本棚登録日 : 2020年5月17日
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