4つのお話からなる、連作短編集。
それぞれのお話で主人公がかわりますが、
必ず脇役に死神の少女が登場しており、誰かの死に方が語られています。
死ぬ前につくと決意した嘘、死ぬ前に自分がやるべきこと、
死ぬ前に諦めたくないこと、死ぬ前に守りたいもの。
書かれているのは死ぬ前から死の瞬間までですが、
それによって描かれているのは生き方なのだと思います。
綺麗な死に方、ひいては綺麗な生き方、
そういうものはどういう形をしているのか、思わず考えさせられました。
色々なライトノベルがあると思いますが、
個人的にはライトノベルの型だけには閉じ込めたくないと思える作品でした。
魂のリサイクルという人の死後の考え方や、
4つのお話の微妙なつながりも素敵です。
ちょっと澄ましたような文体も好みでした。
本の終わりには突然道が開けたかのような、
しばらく心に残る爽快感があります。
短編集なのでどこから読んでも間違いはありませんが、
1つめの物語から順に読み進めていくのがおすすめ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日常系ファンタジー
- 感想投稿日 : 2015年6月10日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2015年6月9日
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