健太郎の家の近くの海に、ずっと前から不気味な塔が建っている。地図にもインターネットにも載っていない、謎の建物。夏休みの最初の午後、憂鬱な気持ちで海岸にいた健太郎は、気が付くとその塔に「さらわれ」ていた。そこには感情がなくなった人々の群、閉じ込められた十数人の大人たち、そして昏い目をした少年、貴希がいた。健太郎と貴希は次第に心を通わせ、塔を出るための「出城料」を共に探し始める…。少年たちのある夏、切なすぎる冒険譚(「BOOK」データベースより)
なんだか健太郎と貴希の関係が、『No.6』の紫苑とネズミに見えてしかたなかった~。
出城料が何かっていうのはまぁ早くからわかっちゃうのだけれど、この二人のいちゃいちゃっぷり(あ、実際はそんな事してません)を眺めるだけで楽しかった!!!
気のいい兄ちゃんの関くんもよいキャラでした。
ただのチャラ男だと思ってたら、トランペット吹きだったなんて。
なにそのギャップ萌え。
でもラストで城を出てしまったという事は、例のアレを失ってしまったという事で・・・。
うーん、やっぱりちょっと哀しいな。
救いのないラストにはしないだろうと、勝手に思っていたところがあるので、今回のラストには驚き。
もの悲しさを後に残すラストは嫌いじゃないですが、貴希が哀れで哀れでたまんなかったです。
きれいだ、と息をのむ。
きれいで、きれいで。
でも、もう二度と。
音色のすべてが鋭い痛みを伴って迫る。あれは、さよならと言っている。さよなら、ずっと、絶対、忘れないと。それが健太郎にはわかる。伝わる。
うをを泣ける!
ピエール・ポルトの「フライデー・ナイト・ファンタジー」、ちょっとようつべで聞いてくるー。
- 感想投稿日 : 2011年9月10日
- 読了日 : 2011年9月10日
- 本棚登録日 : 2011年7月20日
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