筑波嶺のさ百合の花の夜床にも愛しけ妹ぞ昼もかなしけ
道の辺の草深百合の花笑みに笑まししからに妻と言ふべしや
ゴールデンウィークに父親の実家に預けられた中学1年の佐由留。
文子が保育園のブックトークで出会った吉井家の嫁姑と保育園児リョウくん。
常連の美雪さんとその娘の優子さん。
そして地主の秋葉夫妻。
地元の銘菓「百合落雁」をめぐる謎。
秋葉家の地所から発見された白骨の謎。
佐由留くんの悩み、リョウくんのせつなさ、美雪さんの想い、咲子さんの焦燥。
秋葉のおじさんの初恋、それがちょっと妬ける奥さん。
れんげの花畑を眺める秋葉市立秋葉図書館でお話が交差して、やがて大きな物語になる。
いろいろ盛り込んでいて、しかも前作を読まないとスッキリしない仕立て。前作で終わっていてもよかったかな。
それでも、ポイントポイントで登場する本の内容にドキリとして、本の素晴らしさを改めて思う。
タイトルも好き。
「ぼくね、中学校に入って、数学で、マイナスの数って習ったんだよ。大きな数も、マイナス一をかけた途端に大きなマイナスの数になってしまう。大きな数であればあるほど、マイナスかけても大きい。それを教わってね、ああ、嘘をつかれること、隠し事をされることもこれと同じだと思った。」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
楽
- 感想投稿日 : 2015年10月20日
- 読了日 : 2015年10月20日
- 本棚登録日 : 2015年10月13日
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