大正末期、北海道の札幌市近郊にある小村・小安辺村。かつて水源を失い、信州から村をあげて移住し、土地の開拓に励んだ人々が住まうこの村には、人々とともに持ち込まれた彼らの土着の信仰があった。
未練を残して亡くなると鬼となって水を濁す。
鬼を常世へ導けるのは、特殊な体質の烏目役と水守の二人のみ。
血筋の役目から逃れようと医学部に進んだ清次郎の元へ従兄弟の庄一の死の知らせが。
庄一の代わりに烏目役となった清次郎の前に現れた水守。
毒草に当たった子ども、産後に亡くなった母親、開拓民の老人。彼らの未練とは。
時代も空気も良いんだけど、水守への執着がイマイチ良くわからず、美人だから?
それともそう言う体質なのか、そこに共感がもてなくて、結局、最後まで残念な感じに。
好きなんだけどなあー。
「悔いのない人生などない」
おそらくこの世は、見えないだけで、死者が残した黒い小さな珠でいっぱいなのだ(略)
「春先の、あの馬糞の埃のようにな」
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- 感想投稿日 : 2020年8月16日
- 読了日 : 2020年8月16日
- 本棚登録日 : 2020年8月11日
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