盾の勇者の成り上がり 9 (MFブックス)

  • KADOKAWA (2015年2月23日発売)
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感想 : 3
4

苦戦しているようで苦戦しなくなっている。
中ボスもラスボスもとにかく取り巻きの女がたくさんいるという設定は何か意味があるのかと思っていたけれど何もなかった。
死ぬことはなさそうだが面倒くさい敵との連戦でした。ラスボスであるキョウが面倒くささを極めているタイプだったと思われますが、尚文がとにかく相手の行動パターンを先読みしたり対策したりしてしまうため、口でイキり散らしているだけになってしまうという哀れさ。尚文は絶対に敵に回したくないという思いが巻を重ねるごとに強くなる。

新キャラのヨモギがけっこう好きなキャラです。作中でも表現されている通りまさに猪。一度信じたらとことん信じる一方、それが間違いだったと理解すればデモデモダッテと言い出さないところが好感度高い。この巻だけの登場というのはもったいないなぁ。絆達の世界を離れる時はラフタリアの刀がヨモギに行くのかもしれないという予想は外れました。ヨモギがあれだけキョウはいいやつと連呼していたので、キョウも体を乗っ取られているとか何か事情があるのではという予想も外れました。たとえ乗っ取られていただけだったとしても、あれだけの犠牲者を出すようなことをしてしまったら罪悪感に耐えられないと思うので、正真正銘のクズにしておく方が逆に救いがあるのかもしれません。
ヨモギ含めて今回の敵はほぼ全員『地味に強い』という表現でしたね。本当は周りが地味に強いのではなく尚文達が強くなりすぎているのではないか疑惑が出てきてしまいます。

「悪ぶってる」とよく言われながらも実際に地の文でも悪態をついてばかりの尚文ですが、敵の武器が爆発しそうになると理屈をこねるよりも先に自分が全ての被害を受け止めようと自然と動くところが本当に盾の勇者。前巻で絆に守れるのか疑われた際に自分に守れないものなどないとムッとしていたように、捨てたいいらないと言いつつかなり盾を信頼していて守ることにプライドも持ってますよね。盾に対するツンデレがすごい。

エスノバルトがものすごく好きでした。人型の時は美少年、動物型では大きなウサギ、尚文にかなり懐いている、好きにならない要素が見当たらない。尚文を囲むアニマルズがそれはもう可愛かったので、みんなまとめて尚文が召喚された世界に一緒にきてほしい。そう言えば式神であるラフちゃんは次の巻でどうなっているのでしょう。ラフタリアの刀が離れなかったので普通についてきてそうです。

やる気があって話もわかる味方がたくさんいる異世界の異世界物語とても楽しかった。絆達が頼りになるいい人ばかりだっただけに、メルロマルクに戻ってからの落差がすごそうです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2019年11月27日
読了日 : 2019年11月27日
本棚登録日 : 2019年11月27日

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