ナチスの「手口」と緊急事態条項 (集英社新書)

  • 集英社 (2017年8月19日発売)
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小政党の一つに過ぎなかったナチスがいかに権限を拡大して独裁国家を作り上げたかを解説し、日本で審議されている緊急事態条項のナチスの手口との類似点、危険性に言及。この分野は門外漢なのでとにかく難しかった。憲法学者は言葉のチョイスに厳格だなあ。一応理解した中で印象深かったことをメモ。
・ユダヤ人に職を奪われたと感じている貧困アーリアがナチスを支持した構図はトランプ政権に通じるものがあるなあ。
・ドイツでは大統領が緊急事態を規定できる仕組みになっていたことが濫用を招き、いつのまにか主権独裁になっていたと。
・日本の緊急事態条項に関して。緊急事態の判断は内閣総理大臣に委ねられていて緩い。
・そもそも大きな災害等想定される緊急事態があるならばそれに合った法を制定すれば良い。
・緊急事態条項は「安全の保証」ではなく「安心の保証」。不安はキリがないものでそこにつけこんだ条項。いらない。
・緊急事態条項草案は性善説に基づいている。考えうるすべてのパターンを網羅しておらず漏れがある。悪用できる可能性がある。

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感想投稿日 : 2017年12月19日
読了日 : 2017年12月19日
本棚登録日 : 2017年12月19日

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