わかりやすさの罪

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2020年7月7日発売)
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本棚登録 : 1259
感想 : 103
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 「人の振り見て我が振り直せ」という言い方(?)がある。人様の様子を見ながら、ああなったらイヤだなあ、ぼくにはああいうところはないかなあ。まあ、そんなふうにこっそり思えばいいことが、たくさんある。
 あんまりたくさんあると、「いいかげんにしてくださいよね!」と言いたくなる。   
 で、言ってしまうのが武田砂鉄さんで、ぼくは、この方の、そういう物言いが、結構好きなのだが、「書く」ということの常というか、本質というか、「わかりやすく書く」という呪縛から逃れることは、武田さんも難しい。
 というわけで、自分のわかりやすさは、あの人たちのわかりやすさとは違うという、実に、堂々巡りに似た葛藤に陥ることになる。
 そこを悩んでいると見える、武田砂鉄が、実は、もっと好きなのだから、ぼくはかなりな武田ファンということになりそうだ。
 いろいろ、世間にはびこる「わかりやすい」例について教えていただいて、なおかつ、そこから逃れようとする武田さんの葛藤も読める。なかなか読みごたえがあるというものですね。ちょっと面倒くさいですが。
 ブログでも、意味不明のことを書いています。覗いてみてください。
  https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202104260000/

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・社会・エッセイ
感想投稿日 : 2021年5月1日
読了日 : 2021年5月1日
本棚登録日 : 2021年2月20日

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