「人の振り見て我が振り直せ」という言い方(?)がある。人様の様子を見ながら、ああなったらイヤだなあ、ぼくにはああいうところはないかなあ。まあ、そんなふうにこっそり思えばいいことが、たくさんある。
あんまりたくさんあると、「いいかげんにしてくださいよね!」と言いたくなる。
で、言ってしまうのが武田砂鉄さんで、ぼくは、この方の、そういう物言いが、結構好きなのだが、「書く」ということの常というか、本質というか、「わかりやすく書く」という呪縛から逃れることは、武田さんも難しい。
というわけで、自分のわかりやすさは、あの人たちのわかりやすさとは違うという、実に、堂々巡りに似た葛藤に陥ることになる。
そこを悩んでいると見える、武田砂鉄が、実は、もっと好きなのだから、ぼくはかなりな武田ファンということになりそうだ。
いろいろ、世間にはびこる「わかりやすい」例について教えていただいて、なおかつ、そこから逃れようとする武田さんの葛藤も読める。なかなか読みごたえがあるというものですね。ちょっと面倒くさいですが。
ブログでも、意味不明のことを書いています。覗いてみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202104260000/
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史・社会・エッセイ
- 感想投稿日 : 2021年5月1日
- 読了日 : 2021年5月1日
- 本棚登録日 : 2021年2月20日
みんなの感想をみる