まずは、サトクリフがーーこの本が、ふたたび注目を浴びて(そのきっかけがなんであろうと!)ひかりを見たことをうれしく思う。小学生の頃からケルトの物語は私の大好きなカテゴリに入っていたが、それはもっぱらメリングのもので、残念ながらサトクリフを読む機会にめぐまれなかったからだ。以降、井村君江さん鶴岡真弓さん、片山廣子女史などさまざまな「ケルトの物語」に触れ、カオス状態な実際の伝説にも(邦訳だが!)あたってきた。この本はその中では、なんというのだろう。神話の血は継承しながらも、登場するものたちを「ひと」に近づけた佳作のように感じられて、とてもたのしく読めた。復刻に感謝したい。
……ひとことだけ付け加えるなら、ディアミッド・オダイナがいちばん気の毒。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年3月22日
- 読了日 : 2021年3月22日
- 本棚登録日 : 2019年5月18日
みんなの感想をみる