幸福な死 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1976年6月1日発売)
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本棚登録 : 969
感想 : 58
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 休みの日に何かしなきゃと使命感に駆られることの正体を感じられた気がしました。
メルソーの幸福の追求の過程を読んで自分が幸せな休みを過ごすことで自分の人生は有意義だと正当化しようとしているんじゃないかと感じました。その一方で帰り際に感じる虚しさはこんなことしても自分の人生は幸福だと言えるのか?独りで無為にどっか行くことが?と自問にも捉えられました。それはわざわざ孤独になることで女たちの存在に幸せを感じるメルソーのように、それが幸福なのかを自分で証明し続けないといけない労苦に感じました。
 自分でもちゃんと読めたわけではないのでこれからより再読していきたいと思えてしまう謎の魅力があり、そこが異邦人を未だに悩みながら読んでいる理由を見つけることにもなりそうだなと根拠なく思ってます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年10月22日
読了日 : 2023年10月22日
本棚登録日 : 2023年10月21日

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