著者 :
  • 講談社 (2015年5月13日発売)
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本棚登録 : 2938
感想 : 460
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台湾本省人に関する本は何冊か読んでいたが、外省人が主人公は初めてかも知れない。日中戦争時は日本だった台湾が、戦後、蒋介石率いる国民党が政権を取り、本省人は更に辛い時代に突入した。その為、本省人と外省人間のお話しかと読み進めていった。
本文から外れるが舞台が中国、台湾、日本と変わり当時の時代背景も懐かしく思い出される。
戦争がもたらした(戦後にも起きた)様々な殺戮は時代の流れと共に薄らいでいく。しかし当事者には生きている限り消える事はない。外省人の立場の主人公が、実に冷静な目で世の中を見、辛くても大好きだった祖父の過去へと旅をする。戦争は人間の憎悪を生むだけの手段としか思えない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年6月12日
読了日 : 2023年6月12日
本棚登録日 : 2023年6月12日

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