村上さんによって選ばれた短編たちと村上さん自身の短編。
色んな恋愛のかたちがあるなあ、としみじみ思う。
何年も想い続けて実る恋もあれば、後をついていく片思いもあった。終わりかけた不倫カップル、空中に浮かぶ飛行艇の作業員同士の同性カップルもいた。
別れた男を追いかけてオーストラリアまで行き、別人になりすまして別れた男と文通する女の話がいちばん気持ちわるくて、とてもよかった。『ジャック・ランダ・ホテル』という短編。村上さんの解説にもある通り、登場人物全員が”どことなくまともじゃない”感じだった。
時に恋愛感情は人を狂わせる。一人くらい狂っている分には問題ないけど、狂人が何人もいた場合、状況は混沌となり、気持ち悪くて最高になってしまう。
(欧米の人たちは自分の子どもの恋愛に軽く口出したりするけど、そういうのは読んでるだけでも恥ずかしく感じてしまう。こういう時、自分が日本で育った人間だと実感するなあ)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
世界文学
- 感想投稿日 : 2021年4月5日
- 読了日 : 2021年4月3日
- 本棚登録日 : 2021年4月3日
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