僕のとてもわがままな奥さん (幻冬舎文庫 き 3-11)

著者 :
  • 幻冬舎 (2010年4月1日発売)
3.56
  • (40)
  • (52)
  • (67)
  • (16)
  • (7)
本棚登録 : 566
感想 : 83
4

自由奔放な奥さん、ナオミと彼女に毎日振り回されながらもなんだかんだ言って幸せなジュンの話。

--------------------------------------

先日、友人の結婚パーティーに参加してきた。
そこに集まった学生時代の友人数名はすでに結婚して子どもも何人かいるということだった。自分の近況を聞かれたので、以前から興味を持っていたベストボディジャパンといういわゆる細マッチョコンテスト的な大会に出たことを伝えると熱心に話を聞いてくれた。
筋肉を残しながら体脂肪だけを削ることを念頭に置いたトレーニング法を披露していると、友人の一人が言った。
「それは俺にはできないなあ。休日は子どもの面倒見なくちゃいけないし、家にいるときは自分の時間なんてないし」
わかっていてはいたが衝撃を受けてしまった。結婚とは、子育てとは、自分が自由に使える時間を減らし、家族のための時間を増やすということなのだ。
何が筋肉だ。何が除脂肪だ。得意げに身体づくりの知識を披露していたくせに、途端に恥ずかしくなってしまった。
(そのあと、余興を行うためになかやまきんに君さんがサプライズで登場して、自分との筋肉量の差をはっきりと感じてまた恥ずかしくなった。背中の厚み、腕の太さ、僧帽筋のボリューム、どの部位を見てもすごかった。尊敬)


もちろん結婚や子育てをしていることが偉いわけではない。わかっている。けれども、まあ引け目のようなものを感じることは確かだ。”自分の好きなように時間を使えて羨ましい”なんて誰にも言われていないのに、勝手に卑屈になっている自分がいる。
しっかり仕事もして、趣味を楽しみながら生活している。自信を持って胸を張りたい。きんに君さんを目標にしたい。

--------------------------------------

ナオミさんとジュンくんの生活の話は面白かった。完全に主導権はナオミさんにあるけど、偏ったパワーバランスがちょうどいいこともあるということなのかもしれない。楽しく幸せな生活が何より大切だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 銀色夏生
感想投稿日 : 2019年5月18日
読了日 : 2019年5月18日
本棚登録日 : 2019年5月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする