増補改訂 日本という国 (よりみちパン!セ)

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  • イースト・プレス (2011年7月16日発売)
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明治時代、他のアジアの国々にようにヨーロッパやアメリカの植民地にされるのを恐れた日本は、身分制度をやめてすべての国民を強迫(義務)教育し始めた。
教育によって、数が数えられ、文字が読める国民が増えた結果、戦争時の意思疎通はスムーズになった。こうして日本は西洋の仲間入りをして、アジアの国々を侵略する側になった。

太平洋戦争が終わった後、日本はアメリカに従った。そのおかげでアジアへの戦後賠償金(補償金)は非常に安くなり、さらに朝鮮戦争や冷戦の影響で日本は経済成長できた。
冷戦が終わり、日本の経済成長も終わった。あとには多くの問題が残された。


明治から近代、そして現代における日本の動向を一気に追うことができた。
首相だった吉田茂の根回し活動すごいな、とか、周恩来が「わるいのは日本の軍国主義者で、いまの日本人とは仲良くしたい」と言ったあとにA級戦犯を靖国神社に合祀した日本の判断はどうだったのかな、とか、色んなことを考えることができた。
もちろん戦後のアジアの国々が日本についてどう思っているんだろう、ということも考えたし、沖縄の米軍基地や憲法9条、自衛隊の扱いなど、問題はいくらでもある。どんなに考えたところで答えには行きつかない。

色んな捉え方、考え方がある。歴史認識はそれぞれ違う。
ほんとうに難しいことだらけだ。けれど、過去の出来事を何も知らなければ、未来を考えることもできない。
みんな仲良く平和に生活できたらいいのにね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2022年1月14日
読了日 : 2022年1月14日
本棚登録日 : 2022年1月14日

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