男子高校生によるスキー合宿4日間の日記。
顧問同士の仲がいいということで、県内の女子高と一緒に行うスキー部合宿。男女の甘酸っぱい思春期が混ざり合って、間違いなく青春。
しかし、語り手である会田君には誰にも言えない趣味がある。彼の大好きな行為、それはトイレ覗き。彼は変態だ。
輝かしい青春と暗い変態が同時に描かれていて唯一無二の読了感を得られる作品。
排泄の描写は完全に変態そのもの。覗き行為や性行為、自分の感情を客観的に描写する場面が多く、変態が身近に感じられた。
誰にも知られることなく、暗く汚いトイレの床に顔を押し付けて、悟りを開く会田君だったが、恋愛感情が芽生え、覗きをやめようと決意する。
好きになった女の子もどうやら自分のことが好きみたい(好きになった子の排泄も覗き済)で、ほかの部員も付き合ったり別れたりし始め、青春は加速していく。
彼は暗い変態を捨て、輝かしい青春のステージへ上がろうとする。
でもやっぱり彼は覗きがやめらない。
この作品の面白さは異常。4年ぶりくらいに読んだけど、気持ちいい後味の悪さはしっかり覚えていた。
ただの変態小説じゃない、100%の失恋小説。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
会田誠
- 感想投稿日 : 2012年9月22日
- 読了日 : 2012年9月22日
- 本棚登録日 : 2012年9月22日
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