太宰治の後にこれを読み、何かがすんなり入ってきた感じがした。
何と言うのか、うまく書けないけれど。
私は普段戦争の本ばかり読んでいて、死にたくない人たちがその意に反し、巨大な力の下で踏みつぶされる様にして死んでいくものばかりに接していたが、この本の死は、ひたひたとくっついてきていて、ふとした瞬間に人を絡め取っていく。
本人にも気がつかない、これも見えざる何かの力。
絡めとられず、自らそこにいく、呼ばれても踏みとどまって残った人間の諦めのような空気。
ひさびさにぞっとする本を読んだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年6月22日
- 読了日 : 2014年6月22日
- 本棚登録日 : 2014年4月23日
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