戦、戦、戦です。第一次木津川合戦のその図。
悲しいけれど、これって、戦なのよね・・・ガンダムのジュード・ロウのセリフ・・・
この作品もまさに、そのとおり。先日まで同じ座につき、笑いあっていた者が、今日は敵になる。「おう、姫さんやんけ」といつもの口調で景に語りかける者のその手には刃が握られている。そして、景は、その者をことごとく殺していく。
悲しいけれど、これって、戦争なのよね。。。
景と、七五三兵衛の対決は、読んでいて、本当にハラハラした。怪物のようにでかい七五三兵衛と、女の景の戦い。見るからに景が不利でしょう。もちろん、絶体絶命のピンチに陥る景でしたが、そこからの逆転劇を丁寧に書いているなあと思った。最後、景も死んだかと思ったけれど、そうならなくてよかった。
あきらめたらそこで試合終了ですよ。スラムダンクの安西監督のセリフ。
景は強い。誇りに思う。これこそが史実ならよかったと思うほどに。
そして、上巻からちらほらでてきた、「鬼手」というキーワード。それを知った元吉は・・・
「ずいぶん心幼き一手ですな」とあざ笑う。景の兄、元吉に叔父の元継がひとこと。
「心幼きゆえ、男は奮い立つんじゃないか」
このシーンが好き。
自家の存続のために、戦をおこなう男たち。けれど、結果として、村上も、毛利も、雑賀も、本願寺も、自家を存続させることはできなかった。終わってみれば、こんなにも悲しい。誰も、思いを遂げることはできなかった。けれど、和田さんも作中で書いているとおり、一人一人の人生の、なんと多様なことだろう。人ひとりの性根をみくびってはいけないのだ。
- 感想投稿日 : 2014年2月28日
- 読了日 : 2014年2月18日
- 本棚登録日 : 2014年2月28日
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