ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像 (岩波文庫 赤 437-4)

  • 岩波書店 (1979年3月16日発売)
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感想 : 48
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聞いたこともない人名だったのですが、読み出してみるとこれが面白い。著者の、何と言うか気持ちのこもった筆致のせいもあるのでしょうが、フーシェのキャラ立ちっぷりは素晴らしい。なんかもう、半沢直樹系のキリッとした撮り方のドラマに仕立てたら面白そうだなぁなんて思ってしまいました。
しかし、フランス革命期の政治家の話なんて(興味深いと思う人はいるかもしれませんが)楽しく読める話だとは思ってませんでした。

それくらいの、同時代人からもボコボコに言われたカメレオン野郎の話であって、しかし現代の我々から見てみると、変化する状況の中で何とか生き残ろうとして能力を発揮してきた(まぁカメレオンか。。)努力家に思えるのです。
「残念ながら世界歴史は、普通叙述されているような人間の勇気の歴史であるだけでなく、また人間の臆病の歴史でもあるのであり…」という著者の記述を見ても、歴史のこっち側の側面を読んでおくことはそれはそれで貴重なのではないかと。
ナポレオンをして、「本当の完全無欠な裏切者」とまで言わしめた男。読んでいて何も感じないということはたぶん無いはず。

しかし、訳の基調がおどけてるのか、岩波的な流儀なのか。「知らぬが半兵衛」は無いなぁ。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2017年8月10日
読了日 : 2017年8月10日
本棚登録日 : 2017年8月1日

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