武田信玄、全4巻の3巻目。ボリューム感は凄いのですが、著者の読ませる力もまた凄い、という感じで、あんまり苦にならず読了。
この巻、風林火山の「火」の巻で、そりゃまぁ3巻目なんだから当たり前なのですが、個人的に最も印象的に感じた「火」は、武田信玄が織田信長に対して抱いた「嫉妬の炎」でした。
これまでロジカルかつ慎重に物事を進めてきた信玄が、信長の上洛を機に嫉妬を燃え上がらせ、天下統一への焦りを見せ、性急にも見える動きを取るのがこの3巻。実際にそうだったのかはもはや誰にもわかりませんが、信玄の行動パターンの変化を、信長の影響と見て著者が描いたその姿は非常にしっくりきます。あれだけの人でも嫉妬するのか。。
他にも、親として側面、夫としての側面で意外な人間味を感じるシーンがあり、本当にこうだったのかなぁ、と思うと面白味があります。
4巻をどう締めくくるのか。日本史をあまり知らない自分ですが、楽しみになってきました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2019年9月1日
- 読了日 : 2019年8月31日
- 本棚登録日 : 2019年8月9日
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