本を読む人だけが手にするもの

著者 :
  • 日本実業出版社 (2015年9月29日発売)
3.75
  • (144)
  • (272)
  • (208)
  • (42)
  • (6)
本棚登録 : 2676
感想 : 336
3

「なぜ本を読むといいのか」を考える本、とまえがきにはあります。この命題自体はそれぞれの読書者が持つべき大事なものだと思うのですが、少なくとも本として書店に並んでいる以上、ほとんど「もともと本を読む人」しか手に取らないような気がして悩ましいですね…。
著者がどのような志で本著を出版したかというところに想いをめぐらせつつ、もともと本を読まない人はどうやったら本を読むんでしょう。本著は結果的には、読書家が本を読んでて良かったね確認ができる本になってしまっているのではという心配があります。残念ながら私にドンピシャです。

重めの書き出しで恐縮ですが、本著の主張は明確で、「本を読む中で知識を集積することで、結果的にアウトプットとしての自分なりの幸福論、自分の意見が構築できる」ということ。ついでに「だからパチンコとケータイゲームで時間を遣ってるヤツはダメだ」と言い切ってしまってるのはまぁ凄い。
そして、ここは激しく賛同するのですが、良い本に出会うためには「数が勝負」で様々な分野の本を読んで出会いの絶対数を増やすことが大事で、かつ読むだけでなくアウトプットを行うことで(ブクログユーザーがいつもやってるコトですね…)自分の言葉で言い直して血肉にすることができると。

しかし、個人的には読書でハッピー!ってのは(本著もまぁそこまで言ってる訳じゃないのですが)さすがに幻想じゃないかと思うんです。
読書で手に入らない能力というものはあって、発見力だったり瞬発力だったり記憶力だったり体力だったり(まぁ読書が向上に寄与するものもあるのかしら…)あると思うのですが、著者には読書で身につく能力の方が特に強力に効いたものと見えます。人によると思うんですよね。

でも、これだけ書き連ねるくらい、本著のおかげで読書暦を振り返って棚卸しして、これからを展望するだけの時間を持つことができたと思います。
巻末の読書リストも非常に参考になります。著者の本が入っているのはお茶目な印象も受けましたが!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2018年1月19日
読了日 : 2018年1月19日
本棚登録日 : 2018年1月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする