女子中学生の小さな大発見

制作 : 清邦彦 
  • メタモル出版 (1999年1月1日発売)
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本棚登録 : 33
感想 : 9
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女子中学校の生物の先生が、生徒にちょっとした実験をするよう宿題を出して、その結果を纏めた本…と言ってしまうと無味乾燥な感じになってしまいますが、そのまま羅列された、雑誌やラジオ投稿の一発ネタばりの短い文章はある意味では味があるとも言えます。
先生があとがきで言っているように「間違っているもの」や「何のためにやってるのかわからないもの」もあって、それがこの本のリアル感を非常に高めています。あぁ、あんなヤツいたわ的な。

本自体はたいした分量ではないのですが、読み進んでいくうちに思ったのは、こういう色々なことを面白がれるコトって大事だなぁということと、何気なくやってみた様々なことの結果として科学的な発見もあったんじゃないかということです。
いつもの街の風景が、カメラを持って歩くだけで違って見えるように、色々なことから何かを発見するつもりでいれば、少し日々が楽しくなるんじゃないか。また、アルキメデスがお風呂に入ってエウレカ的にひらめいたような事象が、実は我々の身近にもまだあるんじゃないか。そんなコトを考えました。
しかしさすが雙葉系列。ちょっとした発見がハワイやシンガポールで行われます。あと、昔はそんなに虫が家に入り込んでましたっけ。

ちなみに、本の中にあるイラストは「あぁ、子どもの頃の絵ってこんなタッチだったなぁ」と思ってしまうような変にリアルな感じの絵もあって、これは大人になって体裁を整えるだけが上手くなったのか、それとも絵を書かなくなっただけなのか、少し考え込んでしまいました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: なんとなく興味ある圏
感想投稿日 : 2017年5月23日
読了日 : 2017年5月23日
本棚登録日 : 2017年5月20日

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