英国幻視の少年たち6: フェアリー・ライド (ポプラ文庫ピュアフル ふ 4-6)

著者 :
  • ポプラ社 (2018年5月8日発売)
4.45
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本棚登録 : 126
感想 : 9
5

いよいよ妖精の国からの奪還の日が近づく中で
示された最後のピース

強い想い、それだけが
彼の国の誘惑を払う力となるのか
カイ、ランス、そして彼らと関わる全てのものたちの
掴みとる未来とはーー

***シリーズ感想***

(基本的に六巻の内容に触れたネタバレ等の感想はなし)


終わってしまった…本当に寂しい、あまい
自分も妖精の国にでもいたように
時間が経つのも感じないまま一気に読み切ってしまった…

イギリス、ファンタジーが好きで
そういった話をよく読んでいたので
書店でタイトルを見たときから、
そして裏のあらすじを読んで確信として
この話は好きだ!と思えたわけだけれど
本当に素敵な作品だった

まず感じたのは
実際にあるかも知れない、身近さへの喜びだったと思う
まったくの異世界でも、遠い過去のことでもなく
現代のイギリスを舞台に
生活の中で起きるファンタズニック
もしかしたら自分もイギリスに行けば、
ほんの気まぐれにでも妖精のイタズラに巻き込まれるんじゃないだろうか?
そうならば昔に何かの本で読んだ、
妖精が見える塗り薬を作るのもいいかも知れない

そんなことを考えながら触れられる作品世界が
愛おしくないわけがなかった


ぶっきらぼうで世話上手なカイ
さらにぶっきらぼうで浮世離れしたランス

既刊の感想でもどこかで書いたけれど
いつ、ふっと現世を手放してしまうかわからないランスの
友人にカイがなってくれて、本当に良かった
中の現実の端々でさりげなくどつきあう姿とか
相手を守るために自分がしっかりしなきゃとか
そんな風に思い合える友人同士になって本当に良かった

登場人物に触れ始めたらキリがないので
とりあえずひとりだけ

スー

癒しだ。
なんて可愛いんだ。悶絶した。
最終的にスーが登場すると胸がドキッとした。
恋かも知れない。
言動が有り得ないくらい可愛いし、
いつも洗いものを求めてる姿が有り得ないくらい可愛いし、
スーに会えるならイギリスに移住してもいい


何を書こうとしていたかわからなくなった
惑わしのイタズラをされているのかも


イギリスには一度だけ行ったことがある
その記憶や雰囲気で補完しながら読めたことが本当に幸運だった
あの景色の中に、
妖精の国をリアルに描けて良かった
本当に存在しているかのように記憶の中に映る
自分の中にあるそこは、春霞の中にあるようなイメージ

このお話の好きなところは、そのイギリス的な雰囲気が
親しみやすく、受け取りやすく書かれてあるところかなと思う
文書の端々にある、皮肉というか、あちらの人の考え方というか
そういう文化的なものがリアルに味わえて
なるほどこういう捉え方をするのか!と
クスリとしてしまったり
これはどういうことだろう?と調べて勉強になったり
それが読んでいて楽しいところだった

また必ずイギリスには行きたい
ツアーだと難しいと思うけど、もし自力で巡ることが出来たら
ウィッツバリーに行きたい
そしてスーに会うんだ…(諦めない)


作品的には、実に「らしい」終わり方だったと思う
水彩画でさらりと描いたような
ネタバレなしと書いたのであまり触れないけども
スッと心に馴染んで溶けて
終わりを迎えたけれど、それでも物語はまだ続く

そう、まだまだ、魅力的な登場人物たちの
愛すべき人生は続いていて
いつの日かその生活をまた少しでも垣間見れるときがくることを願って
まとまりが全くなくなってしまったけど
ひとまずの感想に

素敵な物語をありがとうございました

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル(日常・恋愛)
感想投稿日 : 2018年5月13日
読了日 : 2018年5月15日
本棚登録日 : 2018年5月1日

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