闇の王国 (ハヤカワ文庫 NV マ 6-8)

  • 早川書房 (2011年8月10日発売)
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本棚登録 : 41
感想 : 10
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【内容】
 父親とは異なる陸軍に入ったアレックス。塹壕戦地に送り込まれた彼は、その塹壕でイギリス人のハロルドと出会う。仲良くなった彼らだったが、ハロルドの願いから、アレックスは戦地から去った後、イギリス北部にあるガトフォード(架空都市)に行くことになる。
 そこで、暮らすことになったアレックス。そこで、妖精の仕業と言われる現象に出会い、魔女と呼ばれる女性と出会うことになる。

【登場人物】
アレックス・ホワイト
ハロルド
ジョー
マグダ
ルターニャ
等(登場順)

【感想】
 普段推理小説しか読まない人間として、そして本作を読んで精神的に来るホラーは、あわないことを痛感した。有り体に言えば面白くなかったということだ。

 例えば語り手の若かりし頃の話というところから、この物語が終わった時、主人公は生存しているのはわかりきっている。つまるところ、何があっても無事生還しているのが、最初からわかっている。
 妖精とは何なのか、魔女とは何なのか、と言った点にも明確な回答を得られるわけではないので、それは承知で読んでいたものの、推理小説ばかり読んでいるとそういう不思議な出来事を解決しないのか? となってしまい、本作を読む弊害になってしまっていた。

 ホラー部分についても、綾辻行人氏の殺人鬼シリーズのような生々しいグロテスクなものはダメなのだが、本作や横溝正史氏のようなホラーともなると、あまり怖いと思うことが内容で、本作についてもそうだった。想像力にかけているだけかもしれないが……。

 また、途中、性的なシーンが多数あった箇所だが、少々うんざりしてしまった。どう思っていたのか、といった点やそれがストーリーに影響する内容についてはわかるのだが、もうこう何度もそんな描写をされても、疲れるだけだった。(これに関してもハードボイルドが好きでないというのと同じだろうが)

 なので、全体としては、私の好みと全く合致しなかったというのが、本作を面白い! と思えなかった要因だった気がする。
 なんかいろいろ自分の感性というか、想像力というか、そのあたりのものが乏しいんだなと実感するのと同時に、何が好きでないのかを自覚できる作品だった。

 全く、感想になっていないけれど……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー小説
感想投稿日 : 2015年5月22日
読了日 : 2015年5月22日
本棚登録日 : 2015年5月22日

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