ひまわり公民館よろず相談所 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2023年8月24日発売)
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本棚登録 : 109
感想 : 12
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あなたのお悩み、公民館のヒーローたち(全員お年寄り)が解決します。

夫の転勤で向日葵町に引っ越してきた八山友里は、慣れない育児に四苦八苦していた。泣き止まない息子・蒼を抱いて迷い込んだ町の公民館で、凄腕の元保育士“寝かしつけのお園”と出会う。この町では、クセのある特技を持つ老人たちが集まって、よろず相談所を開いていた。サイキック後藤、犬校長の竹田、ちくわ笛の三好……?どんなに小さな特技でも、きっと誰かの役に立てる。公民館を舞台にした、癒やしとぬくもりの物語。


育児で悩むお母さんは多いと思うし、夫の仕事が激みでワンオペになってしまうこともある。すでに出来上がっているコミュニティに入っていくのも勇気がいるし、だけど誰かを頼りたい。そんな友里が出会ったのは、よろず相談所のご老人たち。しかし、この老人たちはいわゆる「老害」とか「自分たち、昔ながらにやり方の押し付け」ではなく、困っている人たちに寄り添ってくれる。


ワンオペ育児に疲れていた友里は、相談員と一緒にいろんな悩み事を解決していく。少し遅い時間帯のモーニングコールの依頼者、悪徳占い師に洗脳されている母親を助けたい子ども、一発逆転の玉の輿婚のために家族顔合わせに代理人を立てる婚活女子、誘拐されたインフルエンサーの犬と問題児の少女。様々な悩みや謎をいろんな特技を持っている相談員たちが解決していく。


すごかったのが、お金持ちの婚約者家族との顔合わせで、対策本部に控えている先鋭部隊。帯留の話や絵画について、全て対策本部からの助言で乗り切って、せっかくの高級フレンチの味も覚えていない始末。でも、最後の婚約者家族の嘲りはなぁ。本当にお金持ちで心に余裕がある人は、多分だけどあんなことを言わない気がする。心に思っていても口に出したらお里が知れるというか…彼女がちゃんとした人と出会えてよかった。


結構、読みやすかったし面白かった。まだまだ気になる相談員たちの正体。ちくわ笛の三好の話も気になるしな。続編あったりしないかなぁ。


2024/04/29 読了



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月29日
読了日 : 2024年4月29日
本棚登録日 : 2023年12月11日

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