人のセックスを笑うな [DVD]

監督 : 井口奈己 
出演 : 永作博美  松山ケンイチ  蒼井優  忍成修吾 
  • Happinet(SB)(D)
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本棚登録 : 2959
感想 : 671
5

もう小説を読んだのも随分前で、たしかあれは浪人時代だったと思うけど、主人公の名前も展開も結末も何も覚えてなくて、そういうこれと言った輪郭のない、まさに浪人時代の時間を描いたような小説という印象だけがあって、とにかく新鮮な気持ちで映画を見たけど、ある意味小説の空気感を残しているような気はする。
余白と余裕に満たされ、漠然としていて、先への期待と少しの不安が漂う10代の尊い時間。
これを見るのにはこちらにも余裕がいるし、休みの日にゆっくり見れてよかった。

たばこは吸ってもコロナの味はわからない、甘党の主人公は19歳で、おそらくこれから先も忘れられない恋を経験する話。
オトナとしての先生と、コドモとしての同級生が対照的で、先生の顔はあんまり映らないのに、蒼井優お得意の不安そうな顔が印象的だった。そういう意味で、彼女がもう一人の主人公だったんだろうなと思う。最後キスされて照れてる感じも子どもみたいで、とにかく女の子はわからない。でも小説より、女性たちが自由な感じで好きだ。

オトナの先生をあまり描かないのは、19歳にはわからない彼女特有の世界を想像させてくれた。
(だって、触ってみたかったんだもん)

ほんとは東京に行きたかったんだろうなとか、それでも猪熊さんと一緒にいるのはどうしてなのかなとか、彼をモデルに描いた絵はどこにあるのかなとか。
誰がどう思おうと、彼女なりに一生懸命生きているはずで、正解なんてない。まわりにどう振る舞おうと、どんな恋をしてセックスしようと、すべては自分次第。
永作博美の美しさと、オトナの余裕と余白を楽しみましょう、僕だってもう、子どもじゃないんですから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年3月17日
読了日 : 2019年3月17日
本棚登録日 : 2019年3月17日

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