1800年代、奴隷船アミスタッド号に強制的に奴隷として乗せられたアフリカ人達。彼らはキューバに運ばれた後、船上で氾濫を起こして船を乗っ取ったが、アメリカ合衆国の軍艦に捕獲され、氾濫及び殺人容疑で裁判を受けることになる。
奴隷貿易が廃止されていたアメリカで、様々な国や人物が奴隷としてその所有権を主張する中、彼らはアフリカ人であり自由人なのか?それとも生まれながらにしての奴隷だったのか?
再選期のためこの問題に目を向けたがらないビューレン大統領、アフリカ人を自由人と主張する奴隷制廃止論者、アフリカ人の解放を許さないアメリカ南部人達、所有権を主張するアメリカ海軍及び、当時まだ14歳であったスペイン王女イザベラ2世、そして奴隷貿易商人。様々な立場がからみ、この裁判はアメリカ全土が注目することとなった。
これは実際にあった話である。
どのように奴隷がアフリカから運ばれたのか、奴隷船の様子などが詳しく描かれている。
注目すべきシーンは、若き弁護士ボールドウィンと、元大統領で弁護士としてこの問題に立ち向かったアダムスの活躍。アフリカ人のリーダーとして自分達の自由を訴えたシンケの活躍などであろう。
一つ付け加えると、奴隷は白人がアフリカに入り込んで捕まえてきた訳ではない。白人との契約によって黒人が黒人を捕まえて白人に提供したものである。
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カテゴリ:
アメリカ
- 感想投稿日 : 2011年9月28日
- 読了日 : 2005年月
- 本棚登録日 : 2011年9月28日
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