ここ数年、中国の権力闘争についてのニュースを読み解くのに、福島さんの意見を参考にすることが多い。
断片的に見聞きする、中国からのニュース。
それも最新のもの、習金平政権による反腐敗キャンペーンによって、獄に繋がれ、あるいは死に追いやられ、または謎の死を遂げる大物政治局員たち。
その反腐敗キャンペーンは、国家人民のために行われているためでは決してなく、胡錦濤、江沢民の流れを汲む権力者たちとの闘争に、習金平が勝ちを収めていく過程に過ぎない。
本書は、その、表面的には反腐敗キャンペーンと糊塗されている権力闘争の真の姿を、細かく解説してくれる。
これは歴史ではなく、いま現在、現実に隣国中国で繰り広げられている闘争である。
その、不安定な国家は、現在、世界第二位の軍事国家であり、核兵器を保有し、隣接諸国との境界線を伺う状態にある。国内の不安定さを解消するには、国外の敵に対して一致団結するという方法も、選択肢のひとつに数えられるはずだ。
本書は、習金平がこれからたどると考えられる道を、4つのシナリオとして提示する。そのどのシナリオも、隣国である我が国に、大いなる影響を及ぼすことになるのだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2016年3月8日
- 読了日 : 2016年3月8日
- 本棚登録日 : 2016年3月8日
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